締めサイクルと売上集計

支払い・返金・チャージバック等によって発生した決済は、一定の期間ごとに集計され、振込や請求が行われます。

PAY.JP では、これらの金額の動きを Term、Statement、Balance の3つのオブジェクトで管理します。

オブジェクト全体の相関

Termオブジェクト

Term オブジェクトは集計区間を表し、その区間に確定した支払い・返金・チャージバック等が関連付けられるオブジェクトです。
Term オブジェクトは区間の開始時刻に自動的に作成され、次の締め区間の開始・終了日が確定します。

Term(集計区間)

締め処理

終了日を超えた Term は、自動的に締め処理が行われます。
関連付けられている各種決済オブジェクトの金額が集計され、集計結果が記録された Statement オブジェクトが作成されます。

サイクルの変更

管理画面から締めサイクルを変更すると、次回の Term 作成時から新しいサイクルが適用されます。


Statementオブジェクト

Statement オブジェクトは PAY.JP と加盟店・テナント間の売上・返金・請求などのお金の動きを総合的に表すオブジェクトです。
上記の締め処理による売上 Statement のほか、有料プランの請求金額や振込手数料など、さまざまな場面・目的・タイミングで作成されます。

Statement(取引明細)

金額の表現

Statement では発行対象(加盟店・テナント)が受け取る金額をプラス、請求される金額をマイナスで表現しています。

振込・請求

Statement は取引の内容のみを表しているため、生成されただけでは振込や請求は発生しません。

実際の振込・請求の状態は、Balance オブジェクトで管理されます。

書面の発行

Statement には課税取引が含まれることがあるため、必要に応じて適格請求書・適格返還請求書形式の書面が発行されます。

書面は管理画面から閲覧できるほか、 取引明細ダウンロードURLを発行 API を使って取得することもできます。

PAY.JP Platform をご利用の場合、プラットフォーマーはテナントから徴収したプラットフォーム利用料等についての明細・インボイスをテナントに提示する必要があります。
詳しくは以下のページをご確認ください。

テナントに対する取引明細・適格請求書(インボイス)の提示

2024/06/01以前に作成されたStatementについて

Term、 Balance オブジェクトの導入以前に作成された Statement オブジェクトは、Term や Balance とは関連付けられない独立したオブジェクトとなります。

インボイスの表示、ダウンロードにのみご利用ください。


Balanceオブジェクト

Balance オブジェクトは、 Statement オブジェクトを集め、その金額の振込・請求状態を管理するオブジェクトです。

Balance(残高)

BalanceへのStatementの関連付け

Statement が生成されると、state が collecting である Balance に関連付けられます。関連付ける先がない場合は、state が collecting である新しい Balance が生成され、そこに関連付けられます。

Balanceの状態判定

type が collecting の Balance は、Term の締め処理が完了したタイミングで状態判定が行われます。

Balanceの総額が最低入金額を超えている場合

入金作業が始まります。

  • Balance.state は transfer になります。
  • Balance.bank_info に、入金される銀行口座情報が表示されます。
  • Balance.due_date に入金予定日が表示されます。
  • 振込手数料の Statement が発行され、Balance に追加されます。

PAY.JP による入金作業が完了すると、closed が true に変更されます。

未処理の請求が残っている場合
state=claim で closed=false の Balance が残っている場合、状態判定時に総額が最低入金額を超えていても state が collecting のままになります。
有効な入金先口座情報がみつからない場合
状態判定の時点で登録されている銀行口座情報が振込失敗状態(bank_info.status が failed)である場合、 state は transfer になるものの、口座情報が修正されるまでは入金予定日が確定しない状態となります。
口座情報相違などで振込が失敗した場合、口座情報が修正されるまでは口座情報は無効となります。

総額がマイナスの場合

請求処理が始まります。

  • Balance.state は claim になります。
  • Balance.due_date に請求期日が表示されます。

PAY.JP から請求書を発行しますので、期日までにお振込みをお願いします。
振込が確認でき次第、closed が true に変更されます。

どちらにも当てはまらない場合

state は collecting のままになります。

collecting 状態が長期間継続すると、Balance は失効することがあります。 → 残高の繰延べと失効

Balanceのマージ

マージとは、ある Balance に含まれる Statement がすべて別の Balance に移動される操作を指します。 マージによって空になった Balance は、自動的に closed=true に変更されます。
マージは特定の状況において PAY.JP が任意で行いますが、一部のケースを除き原則加盟店様に事前にご連絡の上で実施いたします。

マージが発生する状況の例としては以下のようなものがあります。

  • 組戻が発生した際に、未振込の金額を次回の Balance と合算して振り込むケース
  • 返品超過やチャージバックによるご請求の支払いが完了していない場合に、別の売上と相殺するケース