
いまさらながら、「決済代行会社とは」ということをテーマに記事を書いてみます。
PAY.JPはいわゆる「決済代行会社」です。が、そもそも決済代行会社とは何なのか、決済代行会社を利用する必要性はなんなのか、などなど疑問をお持ちの方も多いかと思います。
オンライン決済を始めようと思った時に、いまは選べる手段がたくさんあります。弊社の親会社のBASEのように簡単にネットショップを作れるサービスなどもその一つです。数ある選択肢から、自分がやりたいことに合ったものを選んでいただけるよう、あらためて、決済代行会社の役割をかんたんにご説明します。
決済代行会社とは?
決済代行会社は、クレジットカード決済をはじめとした決済システムを導入したい事業者と、クレジットカード会社などの決済会社を仲介する役割を持つ会社です。
こちらの記事でもご紹介したように、アクワイアラと事業者の間をつなぐ役割をしているようなものになります。
関連記事:「カード会社」=「カード発行をする会社」だけではない?|イシュイングとアクワイアリング
とてもざっくりいうと、クレジットカード取引において、カード会社と加盟店の契約を取り次ぎ、加盟店のクレジットカード取引をカード会社に代わって取り次ぐ事業者、という感じです。
直接クレジットカード会社と契約すればいいのでは?
このような疑問を持たれる方もいらっしゃることと思います。決済代行会社を挟まずに、直接クレジットカード会社と契約をすることも可能です。(直接契約方式)実際に特に対面店舗等ではそのようなケースも多いと思います。
一方で、オンライン決済については直接カード会社と契約をして独自にカード決済を導入するのはかなりハードルが高いです。
主な理由は以下の3つです。
(1)複数のカードブランドを利用したい場合にそれぞれと契約が必要
オンラインでカード決済をはじめるのであれば、お客様の利便性を考えて複数のカードブランドが使えるようにしたいものです。しかし、そうなった場合、Visa/Mastercard、JCBとそれぞれのライセンスを持っている会社と契約をしなければならず手間がかかってしまいます。

関連記事:決済代行会社によって審査結果が違うことがある??|シングルアクワイアリングとマルチアクワイアリング
決済代行会社を利用すれば、まとめて複数のクレジットカードブランドと契約ができ、個別でカード会社と契約する必要もありません。
カード会社の審査は専門性が高いため、各カード会社と契約・審査に関するやり取りを直接行うのは想像以上に労力がかかるかと思います。
(2)決済システムの開発コスト/運用のコスト
決済ネットワークとのつなぎ込みなど、決済システムの開発にはかなりのコストがかかります。また、各カード会社と直接契約をした場合に、カード会社ごとに手数料や入金サイクルなどが異なると、運用コストが高くなります。売り上げの管理方法なども各社で異なる可能性がありますので、特に経理周りの運用などが煩雑になる可能性が高いです。
一方で、決済代行会社では決済処理用のAPIが既に用意されていますのでそれを組み込めばOKです。また、情報がまとまった管理画面等も用意されています。
チャージバックが発生した際のカード会社とのやり取りなども決済代行会社が仲介しますので、煩わしいやり取りを直接行っていただく必要もありません。
関連記事:オンライン決済で避けては通れないチャージバック|そもそもチャージバックとは?
(3)高度な情報セキュリティ要件への準拠が必要
クレジットカード情報を自社で保有するのには大きなリスクが伴いますので、厳しいセキュリティ要件の基準を満たさなければいけません。https://pay.jp/security
PAY.JPではPCI DSS Version 3.2.1 に完全準拠した運用を行っておりますが、実際にかなり細かく厳しいチェックが入りますので、他事業を運営されながら要件に準拠するのはハードルが高いかもしれません。
これらのような理由から、特にオンライン決済に関しては各社で仕組みを作っていただくのが現実的ではなく、多くのケースで決済代行会社を介していただくのが一般的になっています。
今回の記事は以上です。次回もどうぞよろしくおねがいします!