チャージバックと 3D セキュアとは

このページでは、チャージバックと 3D セキュアに関する一般的な内容を説明します。 PAY.JP 上での具体的な機能仕様については、3Dセキュアの導入準備をご参照ください。

チャージバックとは

チャージバックとは、身に覚えのない請求や不審な請求に対して、カード保有者が支払いを拒否できる仕組みです。 チャージバックが成立すると、その決済は強制的に返金されてしまいます。すでに役務や商品を提供済みの場合、加盟店にとって大きな損失となります。

チャージバックによる損害を防ぐ方法

1. 反証

適切な利用であることの客観的証拠を提出することで、チャージバックに対して反証を試みることができます。

反証に必要な情報はチャージバック理由によって異なりますが、決済日時や商品の配送先住所など、正規の購入であることを証明する情報が求められます。 ただし、反証すれば必ずチャージバックを回避できるわけではありません。チャージバック理由や反証内容によっては、チャージバックを受け入れざるを得ない場合もあります。 一般的に、オンライン決済では 3D セキュア以外の証拠での反証が成立することはまれです。

2. 3Dセキュアの導入

決済の前に 3D セキュアによる本人認証を行うことで、正規のカード保有者以外からの利用を抑制する方法です。 以下で詳しく解説します。

3Dセキュアとは

3D セキュアは、クレジットカード各社が提供する本人認証サービスです。決済の際、カード保有者がカード会社に事前に登録したパスワードを追加で入力させることで、本人以外による不正利用を抑制する効果があります。 3D セキュアが実施され正常に認証された決済では、基本的に不正利用によるチャージバックは発生しなくなります。

今般のクレジット不正利用の急増を受け、経済産業省より、「2025年3月末日までに 3D セキュアの導入を義務化」する旨が通達されております。PAY.JP の加盟店様はみなさま義務化の対象となります。 お知らせページにてご案内しております。詳細は下記をご参照ください。
2025年3月末まで:EMV 3D セキュア導入義務化に伴うご対応のお願い

3Dセキュアで保護される範囲

3D セキュアを実施することで、「不正利用 1」が原因のチャージバックの発生を抑制できます。 ただし、「金額が認識と違う」など、不正利用以外の原因によるチャージバックは対象外です。

また、3D セキュアは保護したい決済ごとに都度実施する必要があります。過去に 3D セキュアを実施したカードかどうかなどの情報は考慮されません。

アテンプトと完全認証

前述の通り、3D セキュアを利用するには、利用されるカードが 3D セキュア設定済みである必要があります。 一方、未設定のカードに対して 3D セキュアを伴う決済を行った場合、パスワード入力がスキップされ、決済の 3D セキュア認証は アテンプト(Attempt) 状態となります。 アテンプトでは 3D セキュア認証が正常に行われたのと同様にチャージバックの発生が抑制されますが、デメリットも存在します。

加盟店は、3D セキュア認証の結果を見て決済を行うか中止するかを決められます。アテンプトに起因する不正決済が多い場合や、より強固な不正決済対策が求められる場合、アテンプトでの決済を一切認めないというポリシーでの運用が必要になることがあります。このポリシーは完全認証と呼ばれます。

カードの状態 パスワードの入力 不正決済への対策効果 チャージバック発生時
3Dセキュア登録済み 必須 不正な購入者はパスワードの入力ができないため、決済を完了できない。 不正決済の発生自体が抑制される。
万一発生してしまった場合も、カード保有者への損害補填はカード会社が行う。
3Dセキュア未登録 自動スキップ 非導入状態と同様。 カード保有者への損害補填はカード会社が行う。
ただし、不正決済自体は防止できていないため、あまりに多く発生する場合には加盟店に損害の補填を求められたり、追加の不正対策を要求される場合がある。

  1. カード会社によっては「利用覚えなし」などの表現になっている場合もあります。 ↩︎